公認会計士 青木 寿幸

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あなたが起業するときに、本当に、適格機関投資家等特例業でファンドを組成すべきなのか?

 あなたが、サラリーマンから起業して、インターネットでの小売業、コンサルティング業、不動産仲介業をやるならば、初期投資は、ほとんどいりません。
 しかし、そのようなビジネスではなく、飲食店、美容室、本屋などの事業を行なおうとすると、それなりの初期投資が必要になります。
 あなたに、十分な貯金があればよいですが、賃貸物件の保証金も安くなく、最初の広告宣伝費などのランニングコストも考慮すると、1000万円どころか、5000万円ぐらいかかることもあります。
 普通は、自分の貯金では足りず、親戚や知り合いに頼んで出資してもらうことを考えます。

① 株主として出資してもらう
 起業するときには、自分の会社を設立して、株主を募集するという方法が、一般的です。
将来、儲かったら、その株を買い取るか、IPO(上場)するので、市場で売却してもらうことで、投資したお金を回収する方法を提案することになります。
ただ、上場するまでは、未公開会社からの配当は望めません。
 もし、配当するにしても、会社に40%の法人税、個人に40%の所得税がかかり、2000万円の利益が、結果、720万円の手取りになってしまいます。nizu.png

 しかも、ここでは、所得税を40%と仮定していますが、最高税率は、住民税を合わせると、50%にもなり、投資家の中には、もっと手取りが低くなる人もいるかもしれません。 これならば、会社から配当するより、このお金を会社に貯めて、それを事業に再投資した方がよいと考えるでしょう。それが会社の資本の部、つまり自己資本になるため、銀行からもお金が借りやすくなります。
 結果、投資家の株主の価値が増えて、最後に売却したキャピタルゲインで、儲かってもらうという計画になるのです。
株主としても、株の売却益には、20%(上場株ならば10%)の税金だけを支払えばよいので、そちらを選択します。

 では、起業した、あなたは、どのようにして株主を募集できるのでしょうか?
 株式は金融商品取引法第1項の有価証券です。
 そのため、自己募集するときには、何の届出も必要ありません。
 ただ、6ヶ月間で49名以上に声をかけるならば(投資家の数ではありません)、事前に有価証券届出書の提出が必要となり、そのあと、有価証券報告書の提出が義務付けられます。もちろん、公認会計士の監査も必要です。
 起業したときに、こんな煩雑なことをやる人はいません。ということは、インターネットを使ったり、証券会社を使って、49名以上を募集することはないのです。最初に言ったとおり、親戚や知り合いに声をかけて、その中から、5名から10名の人に、株主になってもらうという場合がほとんどです。
 中小企業の株主構成を見ると、社長や取締役の苗字とは違う人の名前が、数名、数名、連ねています。起業するときに、株主になってもらったということでしょう。

 この株主になってもらう方法には、いろいろなメリットがありますが、重要なことは1つです。

 あなたのメリット 投資家にお金の使い道を指示されず、自由に使える
 投資家のメリット 上場したら、大きなキャピタルゲインを望める

簡単に言えば、投資家から、とにかく、何に使ってもよいから、上場を目指してくれと、あなたが依頼されているということなのです。
 あなたが、上場(IPO)することを前提にがんばりますと言うならば、株主を集めて、起業することをお勧めします。
 実際に、上場を目指してがんばるので、株主になって欲しいと口説くことは、よくある話であり、説明も簡単です。しかも、現在は、議決権なしの種類株も簡単に発行できるので、会社の事業に口を出してくることを防ぐこともできます。

② ファンドに出資してもらう
 あなたが起業して、事業で儲かったら、その利益を投資家に、少しずつ還元していく方法です。(毎月配当の場合もありますし、毎年配当の場合もあります)
 ファンドでお金を集めるメリットは、とにかく、税金にあります。paysru.png

 法人税がかからないため、40%の所得税だけで、投資家の手取りは、1200万円と、株主として配当を受け取る場合と比べて、1.65倍にもなるのです。
 しかも、キャピタルゲインではなく、儲かった利益を投資家に配当していくのであれば、リスクはかなり低くできます。

 では、こちらの方がよいのでは?と思うかもしれません。
ところが、匿名組合であっても、任意組合であっても、ファンドとして、投資家を募集する場合には、自己募集であっても、金融庁へ、金融商品取引業者としての登録が必要となるのです。
 つまり、自由に、ファンドを作って、お金を集めることができません。
 とにかく、自己募集であっても、投資家が親戚や知り合いであっても、ダメなのです。
 ただ、会社の株主になってもらう方法でしか、サラリーマンが起業できないとすれば、あまりに制約しすぎてしまいます。
 そこで、49名以下の投資家であれば、適確機関投資家というプロが1人いれば、事前に財務局に届け出ることで、ファンドを作ってもよいという適格機関投資家等特例業務というものが、制定されています。
 そもそも、ファンドで投資家を募集する場合も、株主になってもらう場合と同じで、インターネットで公募したり、雑誌や新聞で投資家を集めるためには、コストがかかるため、最初は、親戚や知り合いに声をかける場合が、ほとんどです。
 だから、適格機関投資家等特例業務で、十分ということなのです。

 結論は、「適格機関投資家等特例業務で、起業すべき」と言いたいのですが、この適格機関投資家等特例業務のデメリットを話していませんでした。
 適格機関投資家等特例業務は、メリットだけではなく、大きなデメリットがあります。
 それは、サラリーマンのあなたが起業して、事業を始めたあと、数年間の利益を投資家に分配してしまうので、急激な発展はできないということです。
 しかも、数年後には、ファンドが解散することが前提になるので、そこで一度、閉めて、新しく事業を始めなくてはいけません。
 それに、ファンドでお金を集めて事業を始めると、最初から金融機関を巻き込んだ場合を除いて、借入することは難しいと考えてください。

 親戚や知り合いに株主になってもらうのか、適格機関投資家等特例業務でファンドの投資家になってもらうか、両方のメリット、デメリットをよく考えて、あなたが決めるのです。
 もし、不明点や助言が必要であれば、ぜひ、弊社まで、お問い合わせ下さい。
 事業の内容や、あなたの今後の展開をお聞きして、すぐに回答いたします。

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