公認会計士 青木 寿幸

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適格機関投資家等特例業務でファンドを作る前に、投資家とトラブルにならないように、知っておいて欲しいこと(2)

 金融庁は、金融商品取引法を改正して、適格機関投資家等特例業務に関して、規制を強化しました。

この法律の改正は、平成24年4月1日に施行されています。

 1.金融庁への届出書を拡充

適格機関投資家等特例業務の要件を満たしているかどうかの把握が行なえるように、適格機関投資家の名称等を届出る必要があります。

金融庁に届出をする前に、適格機関投資家にはファンドの詳細を説明して、事前に投資してもらう承諾を得なくてはいけないということです。

 2.届出書に添付する書類

ファンドの営業者(管理者)の実体を確認するために、営業者本人の確認資料(登記簿謄本等)を届出書に添付することになります。

これを追加したということは、今まで、営業者(管理者)の実体がない事例があったということなのでしょう。まったくウソの記載で届出する意図は(逆に、ウソの証拠が残ってしまうので)、よく分かりませんが・・・。

  金融庁のホームページでは、

「適格機関投資家等特例業務で、適格機関投資家1名以上の要件を満たさない届出業者のファンドで、投資家の被害が発生している」

と記載されています。

 もちろん、意図的に適格機関投資家に投資してもらっていない場合は論外ですが、自分では、適格機関投資家1名に投資してもらっていると考えていたところ、実は違ったということもあります。

  第一種金融商品取引業者であれば、全員、適格機関投資家だと思っていた

  外国の証券会社や投資運用業会社であれば、適格機関投資家になると考えた

③  1つのファンドに1名の適格機関投資家ではなく、営業者1人に1名でよいと勘違い

  同じ投資対象のファンドだったが、営業者を変えれば、いくつ作ってもよいと勘違い

  適格機関投資家である、投資事業有限責任組合が解散していた

  投資事業有限責任組合が、公認会計士の監査を受けておらず、契約違反していた

  投資事業有限責任組合の投資家に、投資事業有限責任組合があり、人数が超えていた

  適格機関投資家を変更したが、金融庁に届出していない

  営業者を変更したが、金融庁に届出していない 

特に、投資事業有限責任組合が適格機関投資家として投資してもらっている場合には、その投資家に一般投資家がいた場合には、その人数も合算して、49名以下にしなくてはいけません。

 そもそも、金融商品取引法での適格機関投資家等特例業務は、適格機関投資家が、このファンドの組成をチェックして、運営を監督することが大前提でした。

と言っても、ハッキリ、法律に書かれているわけではありません。

そのため、現在は、その法律の趣旨を逸脱した適格機関投資家等特例業務のファンドが増えてしまったのでしょう。

今回の改正により、今までの適格機関投資家等特例業務を行なっている会社も、現在の適格機関投資家を記載して、届け出る義務が発生しています。

これを無視していると、立入検査や裁判所への禁止命令等の申立てがされてしまい、名前が公表されてしまうので、注意してください。

 http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/kinshotorihou/tokurei.htm

今まであまり、実体が掴めなかった「投資事業有限責任組合」などを適格機関投資家にしているファンドが、どのくらい存在し、何に投資しているのかが把握されるものと思われます。

 証券会社や投資運用業が適格機関投資家になっている場合には、それぞれの検査で、すでに明確になっていることを考えますと、やはり、金融商品取引業者以外が、適格機関投資家になっている場合の実体を把握するという趣旨だと思われます。

 なお、海外の営業者が適格機関投資家等特例業務を申請している場合にも、既存のファンドとして届出が必要となりますので、注意してください。

 3.実務的な取り扱い

 金融庁では、4月1日から、実際に適格機関投資家等特例業務の届出を受理するときに、実際に組成するファンドについて、いろいろ聞かれるようになっています。

 そのため、1回では、届出書が受理されず、何度か、修正したり、もう少し詳しい資料を持ち込むことになりそうです。

 これに関しては、金融庁(実際には、財務局)の担当者の考え方にも左右されるため、1年ぐらいすれば、実務的な方針も固まるのではないでしょうか。

 ただ、どのような対応になった場合でも、書類を受理してもらえなければ、適格機関投資家等特例業務のファンドを作ることはできません。

 そのため、担当者の話しをよく聞いて、柔軟に対応しましょう。

 なお、今回の4月1日から新しい法律が施行されたことで、投資運用業者に登録するときに、200億円以下の運用総額で投資家をプロ等(※)に限定するならば、最低資本金が1000万円以上でよいこと、資産流動化法の特定目的会社が、つなぎ資金等を借り入れるために、適格機関投資家以外からでも借り入れることができるなど、一部は使いやすくなっています。

 

(※)プロ等

 ① 特定投資家に準ずる者

   有価証券等の金融資産保有額が一定以上の者

  ・     保有額が3億円以上の法人又は個人

  ・     保有額が100億円以上の年金基金 等

 ② 業者と密接な関係を有する者

   登録しようとする投資運用業者の役職員、親会社等

 

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