公認会計士 青木 寿幸

もっともっと、金融商品取引業を知りたい人に!

今日から、未公開株を投資家に渡せる、新しいクラウドファンディングの仕組みが、作れるようになりました。

早速、TVや新聞でも話題になっていますが、本日、平成27年5月29日から、金融商品取引法が施行されて、株式型クラウドファンディングが使えるようになりました。
今まで、ファンドは規制強化という方向性ばかりでしたが、これは、規制緩和として、かなりやれることが広がります。
また、どんなビジネスにも、先行者利得があるので、先に参入することで、絶対に、メリットがあります。

では、今日から施行された、新しいクラウドファンディングとは、どのような仕組みなのでしょうか?
その前に、今までのクラウドファンディングを、知らない方もいるので、その解説から、始めます。

(1)商品型
応援ファンドと呼ばれば、お金は戻ってきません。
寄付型のクラウドファンディングとも呼ばれます。
1口の金額は小さく、例えば、出版したい有名人がいれば、それに対して、みんなでお金を出してあげて、あとで、サイン入りの本などをもらうのです。
このクラウドファンディングの大きな特徴は、運用した利益を、お金で返還しないことです。
当然、有価証券も出てこないため、金融商品取引法が想定するファンドにもなりません。
そのため、特定商取引法だけを守ればよく、仲介業者は、金融商品取引業者に登録したり、金融庁からの検査を受けることもありません。
仲介業者を始めるまでに、時間もコストもかかりません。
ただ、お金が戻って儲かるというわけではないため、1口の金額も大きく設定していません。

今までの実績をみても、1つの事業で、目標金額が100万円でも大きい方で、ほとんどの事業が、それよりも小さい金額となります。
それでも、仲介会社としても、兼業も自由にでき、検査対応などもなく、運営コストが安いため、大きく失敗するリスクを負うことはないでしょう。

(2)仲介型
第二種金融商品取引業者に登録して、資金調達したい事業会社に匿名組合を発行してもらい、それを、投資家に仲介することで、クラウドファンディングを実行する方法です。
仲介するためには、第二種金融商品取引業者に登録するため、事業を始めるまでに、それなりの時間とコストがかかります。
資金調達したい事業会社は多く、見つけやすいはずなので、その選定を行い、インターネットなどを通じて、投資家と事業会社を結び付けていきます。

第二種金融商品取引業者は、仲介だけではなく、関連会社などが、お金を調達した事業会社のコンサルティングを行うこともあります。
売上は手数料となるため、仲介としてのリスクは大きくありません。
ただ、安定した売上とはならないので、ずっと仲介の営業を続ける必要があります。

一方、投資家は、事業会社に直接、お金を入れてしまうため、監視機能が不足していると、問題が起こることもあり得ます。
監視する仕組み、例えば、事業会社から、逐次、報告を受けるなど、チェック体制を構築しておくことが重要です。

(3)貸付型
第二種金融商品取引業者に登録して、自分が匿名組合を発行し、資金調達したい事業会社に貸し付ける方法です。
そのため、貸金業の登録も必要となり、事業を始めるまでに、一番、時間とコストがかかるクラウドファンディングです。
ただ、集めたお金をどの事業会社に貸し付けるのかの選定は、貸倒れると、第二種金融商品取引業者がリスクを負うため、慎重です。
そのため、投資家は、自分のリスクが抑えらえるため、安心して、お金を出しやすい環境があるといえるでしょう。
そのため、こちらは、大口の投資家からもお金を集めやすい、クラウドファンディングではないでしょうか。

また、第二種金融商品取引業者にとっては、受け取る利息と、投資家に支払う配当の差額で儲かるため、自分で選定した事業会社が存続して、利息を支払い続けるかぎり、ずっと、安定的な利益を上げることができます。

この3つが、今までのクラウドファンディングでしたが、今日から、新しい類型が1つ追加されます。
それが、株式型クラウドファンディングと言われるものです。
これは、「(1)商品型」と、「(2)仲介型」を組み合わせた、クラウドファンディングで、投資家に、商品を渡すのではなく、事業会社の未公開株式を渡せるというものです。

商品を、未公開株式とすると、当然、特定商取引ではなく、金融商品取引法で規制されることにはなります。
このとき、金額には上限があり、1つの事業会社あたり、株主1人あたり50万円以下、年間最大で1億円未満となっています。
今まで、「(1)商品型」で、1つの事業で1億円どころか、100万円でも、かなり大きな事業でした。
そのため、その100倍の1億円までというのは、緩い規制です。
投資家にとっても、未公開株式を保有することで、IPOとまではいかなくても、その会社が買収されたり、配当を出してもらえれば、儲かるというチャンスがあります。
そのため、「(1)商品型」と似て、寄付に近い投資という見せ方ではなく、事業会社の事業計画書の作り方や、最後の出口を作り込むことで、「(2)仲介型」と似せて、お金を集めやすくはできるでしょう。
では、この事業会社と投資家をつなぐ仲介業者は、どのような要件で参入できるのでしょうか?

現在、未公開株式の仲介を行うためには、第一種金融商品取引業者への登録が必要でしたが、これは高いハードルです。
資本金規制、専業規制、自己資本比率規制など、要件は厳しくなっています。
それが、この少額なクラウドファンディングだけを行うならば、兼業でもよく、最低資本金も1000万円でよいことになりました。

正式名称は、第一種少額電子募集取扱業者と呼びます。
この取扱業者には、インターネットを通じた適切な情報提供や事業会社の事業計画書やその後の事業内容のチェックは義務義務付けられました。
それでも、今までの第一種金融商品取引業者の登録要件と比べれば、かなりハードルは下がっています。
なお同時に、インターネットを通じて、少額な匿名組合の持分を仲介できる、最低資本金500万円の第二種少額電子募集取扱業者への登録も始まります。

このように、金融政策が緩和されることは、よいことだと思います。
今後、日本でクラウドファンディングが流行れば、事業会社が、上場のために、高いコストを支払わなくても、お金を集めることができる時代が来るかもしれません。
匿名組合や任意組合を仲介するということに拘らず、新しいクラウドファンディングに参入することを、検討してみては、どうでしょうか。

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