公認会計士 青木 寿幸

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現在、第二種金融商品取引業者として登録している会社は、半年以内に申請が必要となります。

5月29日に、電子募集取扱業務(法29条の2第1項6号)に関する法律が施行されました。
これにより、現在、第二種金融商品取引業に登録している会社が、この業務を行っている場合には、今年の11月28日までに、変更の登録申請をしなくてはいけません。
今まで、やってきた募集業務を続けるだけなのに、これに該当すると、業務方法書を変更するだけではなく、規制も強化されることになったのです。

では、電子募集取扱業務とは、何でしょうか?


下記の2つを同時に行う場合に、該当することになります。
(1)以下のオンライン取引による方法を採用している
 (a) ホームページによる取引
 (b) ホームページと電子メールを使った取引
(2)有価証券の募集、売出し、または私募の取扱い



すでに、登録している第二種金融商品取引業者が、現在、匿名組合や任意組合の持分を、ホームページで募集していると、電子募集取扱業務を行っていることになります。

ただ、(2)の有価証券は、下記のものが除かれます。

  • 事業型ファンドの持分のうち、出資にかかる金銭の価格の1/2を超える額が、金銭の貸付事業に当てられるもの。
  • 上場している有価証券と、すでに、EDINETなどで開示されている有価証券で、お金を集めている場合。

ということは、貸付型のクラウドファンディングを、行っている場合以外は、新しい規制からは除外されます。
このとき、あなたが第二種金融商品取引業者でも、
「うちの会社は、ホームページで勧誘はしているけど、ほとんどの場合、対面式だから、関係ないよね?」
と考えているならば、それは間違いです。

(1)混在している場合も該当する
電子募集取扱業務に該当する募集は少なく、ほとんどが、電話や訪問での募集であったとしても、除外されず、該当することになり、規制の対象となります。

(2)募集だけで、該当する
ホームページに、個別商品の概要や手数料、予想リターン、申込期間などを載せているだけで、そこで募集の申込みを受け付けていなくても該当することになり、規制の対象となります。
つまり、インターネットでは、勧誘だけを行い、詳細な説明や申込みは、対面式で行っていても、電子募集取扱業務をやっているとみなされるのです。

(3)ホームページ以外も、該当する
電子募集取扱業務という名称なので、別に、ホームページに限ったことではありません。
Facebook、Mixi、Line、ブログなどのSNS、Twitterなどのマイクロブログ、Youtubeなどの動画や写真の共有メディアを使って、募集している場合でも、該当して、規制の対象となります。

このとき、あなたは、
「じゃ、Sypeでの募集は、電話っぽいけど、インターネットを通じているから、該当するのか?」
と疑問に思うかもしれません。

実は、インターネットを通じていても、あくまで、音声の送受信による通話は、該当しません。
だから、Sypeも、TV電話も送受信しているので、除外されます。
一方、Eメールは、音声を使っているわけではないので、メルマガで、募集していれば、該当することになります。
そもそも、本人確認法を守るために、投資家を確認するために、電話で話をしたり、実際に対面で、申込みを行うことも多いと思います。
それでも、同時に、ホームページで募集していたら、この電子募集取扱業務に該当してしまうのです。
注意して欲しいことは、実は、法律で定義されている業務は、電子募集取扱業務だけではなく、電子申込型電子募集取扱業務というものもあることです。

後者の方は、ファンドの募集だけではなく、資家のからの申込も、その人とのやり取りも、すべてホームページやEメールで行う場合を指します。
こちらに該当するのは、今回、新しく導入された、第二種少額電子取扱業者が、ほとんどだと予想されます。

そして、電子募集取扱業務を行う業者になると、
電子情報処理を行う組織の管理が十分できる体制を作ること、
金融商品取引業者の標識に記載する事項等に関して、インターネットで、公衆の閲覧に供すること、
が必要となります。

ここで、「標識に記載する事項等」とは、登録番号、業務の種類の別、商号、協会名のことです。
これだけ見ると、それほど厳しくない規制と言えます。
今までと同じことをやっているだけで、いきなり厳しい規制をすることはできないということなのでしょう。
ただ、電子申込型電子募集取扱業務を行っている場合には、上記に加えて、有価証券の発行者の財務等のデューデリジェンスを行う義務が発生します。
つまり、匿名組合や任意組合の持分を発行している会社の財務状況、事業計画、資金使途、目標募集額の適切性まで、チェックしなければいけないのです。

今まで、第二種金融商品取引業者は、ファンドの持分を売るだけで、それを発行する会社の財務状況まで責任を負いませんでした。
実際に、証券取引所で、上場している会社の株式の売買の仲介、IPOや増資するときに、募集を行う第一種金融商品取引業者(証券会社)も、粉飾決算や不祥事を起こして、株価が下がったとしても責任は負いません。
ところが、今回の法律では、「それを第二種金融商品取引業者にやれ」、「不祥事があれば、それなりの責任もあるよ」と言っているのです。
電子申込型電子募集取扱業務でお金を募集している業者は、小口で、投資家からお金を集めていることが、ほとんどだと思います。
それなのに、追加でコストをかけることが可能なのか、ちょっと疑問です。
さらに、今回は、電子申込型電子募集取扱業務だけが対象となりましたが、将来は、電子募集取扱業務を行っている「第二金融商品取引業者も含む」と法律が改正されることが、十分に、考えられます。

とにかく、すでに第二種金融商品取引業者に登録して、ファンドを作り、お金を募集していて、今も継続しているならば、ほとんどが、電子募集取扱業務を行っていると予想されます。
お金を集めるときに、ホームページがあり、そこで、ファンドの商品を紹介している方が、信頼性が増すからです。
ただ、これからも、電子募集取扱業務を続けるべきなのか?
続けるならば、変更登録が必要となります。
そして、電子申込型電子募集取扱業務まで行っている場合には、それを続けて、コストが見合うのかをシミュレーションして、赤字になるなら、根本的に変える必要があります。

なお、私の今までの経験から、時間が経つほど、登録も、変更申請も、作業は大変になり、時間がかかっています。
多分、金融庁も、最初は、実務的なノウハウがないので、一定の書類形式が整っていれば、受理しているのでしょう。
それが、時間が経つにつれ、提出してもらう資料が不足していたことに、気づき、窓口でのチェック項目を増やすことが原因だと考えられます。
早めに申請していくことが、すんなり、申請書を受理してもらえることにつながると思います。

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