公認会計士 青木 寿幸

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日本の会社が、パナマの会社と船舶を共有すれば、減価償却で節税できる

パナマにSPCを設立して、そこが船舶を所有して、傭船料をもらい受ける事業を行い、それを日本の会社がコントロール(傭船手続きから、その後の指示まで)していることが、よくあります。 このとき、パナマのSPCには、現地では税金がかかりません。
ところが、パナマは、日本のタックスヘイブン対策税制の対象の国なので、日本の会社が株主であれば、合算して利益を計算して、日本で法人税がかかります。

もし個人でパナマのSPCの株を所有していると、個人の所得と合算されて所得税がかかるのです。
つまり、個人の確定申告が必要となるのです。

シンガポールにホールディングカンパニー(HD)を作って、そこが、パマナのSPCの株を所有していることもよくあります。 やはり、コントロールは、日本の会社が行っています。
このとき、シンガポールは日本のタックスヘイブン対策税制の対象の国になっています。
そのため、日本の会社が、シンガポールの株主になっていると、パナマのSPCだけではなく、シンガポールのホールディングカンパニー(HD)の利益も合算されてしまうのです。

同じように、シンガポールの会社の株を日本の個人が所有していれば、個人の所得に、パナマのSPCと、シンガポールのホールディングカンパニーの利益を合算して、確定申告しなければいけません。

これを聞いたときに、
「パナマのSPCは、銀行から借入を行って、船舶を100%所有しているので、そこで減価償却費が発生して、赤字になるから、問題ないよ」
と主張する人もいます。

実は、これが、一番の問題なのです。

パナマのSPCが、外国の船舶を所有しているときには、耐用年数は15年になります。 最初の数年間は、定率法で減価償却すれば、かなり赤字となり、そのあとは黒字になるのが、普通です。
ところが、タックスヘイブン対策税制では、海外のSPCが黒字を出した場合だけ、合算されて、赤字の場合には、合算できないとされています。
「赤字を合算できない」という条文はないのですが、パナマのSPCの赤字を、日本の会社の黒字と合算したことで、否認された判例があるのです。

そもそも、パナマのSPCが所有する船舶の耐用年数は15年である必要はなく、延長して長くするのは、自由です。
そのため、赤字が出ないように、減価償却を調整できるので、赤字を切り捨てることにはならないでしょう。(個人の所得と合算するときには、定額法で強制的に減価償却されてしまうため、調整できません)

ところが、傭船契約を長期間に渡り、契約するとはいえ、相手の会社が倒産することもあり得ます。将来の船舶の価値なども、まったく読めず、大暴落している可能性もあります。
そのため、できれば最初に定率法により、目いっぱい、減価償却費を計上して、日本の会社と通算したいと考えるでしょう。

日本の会社が節税して、お金をプールしておくことは、リスクを減らすことに、つながります。 ただ、当事者間の契約書の文言を変えただけでは、日本の会社で減価償却を計上することはできません。
実態として、パナマのSPCを1%、日本の会社が99%の所有権を持つ「共有スキーム」に変更すれば、可能となります。

しかも、日本の会社が外国の船舶を所有しているときには、耐用年数が15年に短縮されるため、税務上のメリットは、さらに大きくなります。

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ただ、この「共有スキーム」を実行するときには、注意すべき点もあります。

1.日本の会社が借金をすること

あくまで、日本の会社が船舶の99%を所有するため、そこで、お金を借りることが必要です。 パナマのSPCでお金を借りて、船舶の100%を一旦、所有して、99%を日本の会社に売却したが、その代金を支払っていないなど、経済合理性がない取引は、否認されるリスクがあります。
つまり、減価償却費を計上したいがために、99%を日本の会社に見せかけで、所有させていると考えられてしまうということです。

一方、日本の会社が金融機関から100%のお金を借りて、1%分をパナマのSPCに貸し付けたり、出資するのは問題ありません。
パナマのSPCで船舶を所有しないと、傭船契約ができないなど、合理的な理由があるからです。

2.買い取り保証などを行わないこと

船舶の99%を所有する日本の会社が、借入の返済が終わったあとも所有を続ける、返済が終わる前に、途中で売却するなど、自分で意思決定できなければいけません。 お金を貸してくれた会社は、銀行の場合だけではなく、リース会社や貸金業者という場合もあり得ます。
この金銭消費貸借契約書(借用書)の中で、一定期間が経過したら、強制的に所有権が移転するという条項が入っていると、減価償却費だけを計上するためのスキームと見られてしまう可能性があります。

もちろん、所有権が移転するという文言が、絶対に入ってはいけないという訳ではありませんが、「選択権(オプション)」を付ける、「契約を見直す」、「再契約をする」など、強制ではないことが必要です。

日本で海運事業を行っていて、この「共有スキーム」を利用できないか、検討してみたい会社があれば、ぜひ、当社まで、お問い合わせください。

03-3539-3047 日本中央税理士法人 担当 青木寿幸

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