金融庁は、第二種金融商品取引業の登録と検査では、どちらの方が時間と労力をかけると思いますか? もちろん、検査です。
(実際に検査に入るのは、証券取引等監視委員会、もしくは管轄の地方財務局)
第二種金融商品取引業の登録のときの申請書類の内容は、法律で決められています。
そのため、その要件を満たせば、登録はできてしまいます。
また、その時点では、まだファンドを作っていないので、それ以外で法律を違反しているはずがありません。
一方、検査のときには違います。
第二種金融商品取引業者がファンドを作って、運営していくためには、本当に多くの「やるべきこと」、「やってはいけないこと」が決められているのです。
もし、検査の結果、決められたことができていなければ、金融庁は行政処分を出すことになります。
業務停止であれば、その期間だけ我慢すればよいですが、登録が取り消されてしまえば、今後の金融業務は一切できなくなってしまいます。
「登録が、取り消しされるほどの重大な違反はしないよ」と考えた方は、注意してください。
「重大な違反」になるかどうかは、金融庁が判断することなのです。
もちろん、あまりにひどい違反は、1つでも、「重大な違反」になりますが、ほとんどの場合、小さな違反がかなりあり、その相乗効果で、「重大な違反」と認定されてしまうのです。
そのため、金融商品取引業者としてやるべきことは、できるかぎり指摘事項を少なくすることです。
結果的に、「重大な違反」となる確率を下げることにつながります。
では、そのためには、第二種金融商品取引業者は、何をやっておくべきなのでしょうか?
① ファンドの業務を行う社員が、法律違反しないように、「社内ルール」を作る
② コンプライアンス担当者は、その「社内ルール」が守られているのかを、チェックする
本当は、全社員が、ファンドの法律を理解することが理想ですが、現実的には、総務・経理やアルバイトにまで、それを徹底することは難しいでしょう。
しかし、金融庁の検査で、どんな理由があろうとも、法律に違反してもよいと言うはずがありません。
そこで、マニュアルや規定などの「社内ルール」を作成し、自動的に法律が守られる仕組みを作ることが、大切になるのです。
また、コンプライアンス担当者は、「社内ルール」が守られるように、研修を行なったり、法令が改正されたときには修正して、それを徹底させていく必要もあります。
ただ、「社内ルール」を作る時に注意点があります。
それは、自社のファンドの組成や運営に合ったものだけを作るということです。
一番、失敗する確率が高いのが、立派で分厚い「社内ルール」を作ってしまう金融商品取引業者です。
なぜか?
普通に考えて、自分の会社の実態に、まったく合っていない「社内ルール」を守る社員がいるでしょうか?
それでも、検査が入ると、「社内ルールを、守っていない」ということで、
「やるべきことが分かっていたのに、守っていない」
もしくは、
「自分達で決めた社内ルールさえ守ることができない会社」
という悪い印象を持たれてしまうのです。
社内ルールを作るときには、法律に違反しないように、自社に合ったものを過不足なく整えることが必要なのです。
それで、社員全員が、気持ち良く仕事ができる工夫も必要です。
なお、詳細な社内ルールの作り方を知りたい方は、金融商品取引業者等検査マニュアルを読んでください。
検査官は、ある日、突然やってきます。
原則は、抜き打ち検査です。
検査が始まれば、資料だけではなく、メール、机の中にあるものまで、すべて見られてしまいます。
この検査に対して、第二種金融商品取引業が取るべき行動に、正しいポイント、間違ったポイントがあります。
もし、ポイントを間違ってしまうと、「検査忌避(検査妨害)だ!」 と、最悪逮捕されてしまうこともあります。
大袈裟ではありません。検査官は、逮捕権限を持っているのです。
当社と一緒に、検査に入られる前に、社内ルールを作り、それを守る組織体制を確立していきましょう。
それが、結果的に、投資家とのトラブルを防ぐことにもつながります。