普通にファンドを作れば、二重課税されない、パススルー課税(匿名組合員をペイスルー課税と区別して呼ぶこともありますが、ここでは、パススルー課税という言葉に統一します)となるため、税金が有利です。
それだけ、投資家の利回りが高くなるだけではなく、ファンドを組成する人たちの報酬も多くなります。
ただ、ファンドを作れば、勝手に、パススルー課税になるわけではありません。
それに、パススルー課税のファンドを作れたとしても、投資家には税金がかかります。
ファンドの種類によって、この投資家の税金が変わってくるのです。
つまり、ファンドの作り方を失敗すると、無駄な税金を支払うハメになります。
事業で100万円の利益が計上された場合で、比較してみましょう。
事業の100万円の利益に、法人税(約40%)がかかる
会社に残る金額は、「100万円-40万円=60万円」となり、これを投資家に配当
投資家には、この配当に対して所得税(15%から、50%までの累進課税)がかかる
ファンドに投資できる人を想定すると、最低でも40%の所得税になる
投資家の手取り金額は、「60万円-24万円(所得税)=36万円」となり、100万円の利益が出ても36%しか残らないことになる
上記が、法人税と所得税の二重課税と呼ばれる
事業の100万円の利益には、法人税がかからず、投資家にそのまま配当される
(ファンドには法人格がないため、課税の対象にならない)
投資家の手取り金額は、「100万円-40万円(所得税)=60万円」となる
上記が、パススルー課税と呼ばれる
最初に、「普通に、ファンドを作れば」と断りましたが、国内で、かつ税務上の要件を満たしている場合だけ、投資家は、パススルー課税で確定申告すrが適用できます。
ところが、海外で事業を行なったり、そもそも、税務上の要件を満たしていないと、二重課税になってしまいます。
これは、ファンドのスキームごとに検証が必要です。
支払った税金は、二度と戻ってきません。
必ず、ファンドを作る前に、税金のシミュレーションしてください。
なお、海外で事業を行なった場合には、日本と相手国との租税条約によって、二重課税を回避できる場合もありますし、税率が軽減される特例を使うこともできます。
2.投資家の税金も、一律ではない
投資家の税金は、最低でも40%と言いましたが、これはファンドの配当が、他の所得と合算されてしまうことも原因です。(所得税は、住民税を含めると、最低15%、最高50%の税率になります)
匿名組合からの配当は、基本的には、雑所得となり、総合課税です。
しかし、任意組合、または投資事業有限責任組合(LPS)、有限責任組合(LLP)に投資している場合には、ファンドの事業によって、配当にかかる税金が変わってきます。
株などに投資しているファンドであれば、一定の要件を満たせば、他の所得と合算されず、しかも、配当はs10%から20%の所得税となります。
不動産に投資している場合、飛行機に投資している場合、船舶に投資している場合でも、一定の要件を満たせば、経費が認められるのです。
つまり、ファンドの作り方によって、節税が可能ということです。
このように、二重課税にならなければよいというだけではなく、もう一歩踏み込んで、投資家の税金を安くするスキームを考えましょう。
税金が安くなることで、投資家の利回りが高くなります。それとも、投資家の利回りを変えないとすれば、あなたの事業の利回りを無理して、高くする必要がなくなるのです。
ただ、この税金に関する法律は、毎年、改正されているため、あなたが、すべてを正確に知ることは難しいかもしれません。
そこで、当社は、多くの税理士が在籍している会計事務所であり、税制改正にも精通しています。
税金のシミュレーションは、税理士に任せる方が、時間もかからず、正確です。
ファンドの事業であっても、消費税がかかります。
この消費税をめぐって、トラブルが多発しています。
特に、消費税は、ファンドの運営者には分かりにくく、あとから、「最初に教えてもらえれば、これほどの消費税を支払う必要がなかった」、「最初に課税事業者を選択していれば、何百万円、何千万円という消費税が還付できた」ということがよくあります。
この消費税の申請は期限が決まっているため、1日でも遅れてしまうと、認めてもらえません。
パススルー課税や投資家の税金だけではなく、消費税のことを必ず、頭の片隅に入れておいてください。